万葉集:オキナグサ(翁草 ) キンポウゲ科古名:ねっこぐさ(根都古具佐)
万葉集:ねっこぐさ(根都古具佐) キンポウゲ科
(原文)
芝付乃 御宇良佐伎奈流 根都古具佐 安比見受安良婆 安礼古非米夜母
(かな) しばつきの みうらさきなる ねつこぐさ あひみずあらば あれこひめやも
(読み方)
芝付(しばつき)の御宇良崎(みうらさき)なる ねつこぐさ 相(あひ)見ずあらば 我(われ)恋ひめやも
しばつきのみうらさきなるねつこくさ あいみずあらばわれこいめやも
(歌の意味)
芝付きの三浦﨑に生えている、ねつこ草のような可憐なあの娘に、もし逢うことがなかったら、どうしてこのように恋い焦がれることができただろうか。
歌の「ねつこぐさ」は「寝つ娘」、つまり共に寝たあの娘がとても愛おしいという意味を連想させます。作者不詳のこの歌からは、植物を特定することは難しいのですが、定説となっているのがキンポウゲ科の「オキナグサ」なのです。
内側は暗い紫色をしているが、がくの外側は毛に覆われている。和名のオキナグサ(翁草)は、白毛のことを言ったのか、それとも花が終わったあとの姿を言ったのか、はっきりはわかりません。
漢方薬の「白頭翁」の名に由来するようです。漢方では、オキナグサの根を乾燥させたものが「白頭翁」と呼ばれ、下痢・閉経などに用いられます。
<万葉集 作者不詳 巻十四 3508>
アルバム: 万葉集
タグ: オキナグサ
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